SQL Server 2012 ESUライセンスの謎
SQL Server 2012は2022年7月12日にサポート終了しました。
本日はSQL Server 2012 ESU(Extended Security Update)の
オンプレミス購入方法の謎について説明してみます。
- 拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)とは何?
- ESUの購入プログラム
- 必要ライセンス
- 注意点
- まとめ(感想)
1.拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)とは何?
サポート終了後に、「緊急」更新プログラムを受け取ることが出来るライセンスとなります。
緊急とみなされる内容は下記マイクロソフトの「セキュリティ更新プログラムの重大評価システム」のWebページを参照してください。
英語のみとなりますので、翻訳すると下記になります。
緊急
脆弱性が利用されると、ユーザーの操作なしにコードが実行される可能性があります。このようなシナリオには、自己増殖するマルウェア(例:ネットワークワーム)、または警告やプロンプトなしにコードが実行される不可避の一般的な使用シナリオが含まれます。これは、Web ページを閲覧したり、電子メールを開いたりすることを意味します。
マイクロソフトは、お客様が直ちに重要な更新プログラムを適用することを推奨しています。
2.ESUの購入プログラム
ESUはAzure上で利用される場合、3年間無償でESUを適用することが出来ます。
しかし、オンプレミスのSQL Server 2012 ESUの購入は、エンタープライズ契約と呼ばれる大規模契約を締結する、もしくは締結している必要があります。
購入できる契約プログラムは下記となります。
- EA(Enterprise Agreement) 企業向け
- EAS(Enterprise Agreement Subscription) 企業向け
- SCE(The Server and Cloud Enrollment) 企業向け
- EES(Enrollment for Education Solutions) 教育期間向け
(官公庁は、EA/EAS/SCEの契約となります)
上記の契約プログラムは販売及び契約締結できるリセラーが
限られていますのでご注意ください。
上記の契約が出来ない方は、残念ながらAzureに移行して頂くか
SQL Server2012を2019などにリプレイスして頂くことも検討する必要があるかもしれません。
3.必要ライセンス
ここが非常に分かりにくいのですが、ESUライセンスを購入するためには
「有効なソフトウェアアシュアランスまたはそれに相当するServerサブスクリプション」が
必要であるとのことです。
ソフトウェアアシュアランス(SA)は保守のようなもので
ライセンス購入時に付けて購入しなければなりません。
そのため、過去にSQL Serverを永続ライセンスで購入したとしても
SAが付与されていない、もしくはSAを付与していても更新していなかった場合
新しくSA付でのライセンスを購入しなければなりません。
Serverサブスクリプションは、SQL Serverをサブスクリプションタイプで
購入するライセンスがあるため、その場合、更新し続けている場合は
ESUを購入することが出来ます。
多くの方は、SAを付けて購入されていないと思うので
SQL ServerをSAを付けてライセンスを買いなおしして、ESUを購入することになるかと思います。
- SQL Server License & Software Assuarance(L&SA)
- SQL Server 2012 Extended Security Update (ESU)
購入数量については、別途SQL Serverライセンス数量の記事でも作ろうと思いますが
基本的には、2Coreパックでの搭載Core数での計測か、もしくはサーバーライセンス+CAL(クライアントアクセスライセンス=接続数)のどちらかで購入して頂くことになります。
必要数量の算出も少々ややこしいですね。
あと、エディションがStandardとEnterpriseの2種類ありますので
ご利用されているエディションも先に確認して頂いた方がよろしいかと思います。
4.注意点
注意点は細かく言えば色々ありそうなのですが、主に2つあるのかなと思いますので
紹介しておきます。
1つめは、ESUは毎年購入が必要となり、2022年7月から3年間しか購入が出来ません。
2022年7月~2023年7月までのESUは、ESU 1年目となります。
2023年7月~2024年7月までのESUは、ESU 2年目となります。
2024年7月~2025年7月までのESUは、ESU 3年目となります。
また、毎年ESUの価格は上がっていく予定です。
2つめは、途中からの購入は可能であるが遡って購入しなければならない。
例えば、2023年10月にSQL Server 2012 ESUを購入しようとした場合
条件を満たしていれば(契約締結とSAもしくはサブスクリプションライセンス)
購入は可能ですが、ESU1年目から遡って購入しなければなりません。
途中からの購入はかなり損だなと個人的に思いますので
オンプレミスSQL Server 2012に、ESUを適用するのであれば
早めに考えられた方が良いかと思います。
5.まとめ(感想)
マイクロソフトさんとしては、Azureに移行して頂くことを狙っていると思いますが
そうなかなか簡単にAzureに移行するのは難しいのではと思います。
そのため、オンプレミスサーバーでのESU適用となりますと
毎年ESUの費用が上がるという点が、予算を取るうえでかなり面倒かなと
個人的には思っております。
毎年ESUの費用が上がるのは、Windows Server 2012/2012R2でも一緒ですので
注意しなければならないと思います。
(今年の費用計測で来年と再来年の予算を計上すると大変な目に遭いそうです)
下記に公式サイトで説明が記載されておりますのでご参照ください。
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