企業用のマイクロソフトボリュームライセンスはこんなに種類がある(その② OPEN・CSP)


 前回、EAとMPSAについて紹介しましたが、今回はOPENとCSPという2つのボリュームライセンスプログラムについて概要を紹介してみたいと思います。


契約の種類

1.EA(Enterprise Agreement)

2.MPSA(Microsoft Products & Service Agreement)

3.OPEN

4.CSP(Cloud Solution Provider)


3.OPEN(オープン)


OPENは、500台未満または250名未満の企業が購入可能な中小規模企業向けのボリュームライセンスプログラムとなります。

かなり昔からありましたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。


OPENはボリュームディスカウントは無いので、沢山購入される場合は「2.MPSA」を検討される方がいいと思います。

また、国内利用のみとなりますので海外分を購入することは出来ません。


OPENも現在(2022年8月)少々、ややこしい状況となっております。

OPENは下記の2つによって構成されておりました。


①OPEN Business(オープンビジネス)

②OPEN Value(オープンバリュー)


ほとんどの企業は①OPEN Businessでボリュームライセンスを購入されていたのではないでしょうか。


①OPEN Businessについて(2021年12月をもって終息)


「2.MPSA」の小規模企業向けボリュームライセンスプログラムとなっており、3ライセンス(どんなライセンス製品でも良い)を初回に購入すれば、2年間は1ライセンスずつ追加が出来るプログラムでしたが

2021年12月末日をもって、OPEN Businessは新規購入が出来なくなり終息となりました。


その為、OPEN Businessにて購入されていた企業は、②OPEN Valueにするか後述紹介する「4.CSP」にするかのどちらかをご選択されることになります。


②OPEN Valueについて


「1.EA」の小規模企業向けボリュームライセンスプログラムとなっており、3ライセンスを初回に契約することで利用出来るプログラムです。

契約は「3年間」となります。


OPEN Valueには、2つの種類がありまして、「(1)OPEN Value」と「(2) OPEN Value Subscription」となります。


(1) OPEN Value

EA(Enterprise Agreement)と同じで、オンプレミス製品の契約となります。


(2)OPEN Value Subscription

ESA(Enterprise Subscription Agreement)と同じで、サブスクリプションの契約となります。


契約をするライセンス製品を決めて購入して頂くプログラムですので、購入する企業の署名が必要です。

注意点としては、必ず保守(SA:ソフトウェアアシュアランス)をライセンスに付ける必要がありますので、保守が要らなければ高い買い方となります。


個人的には、Windows ServerのCAL(クライアントアクセスライセンス)、Visual Studio MSDN、VDA(バーチャルデスクトップアクセス)などを少数だけ購入したい場合に契約するかなと思っております。


4.CSP(Cloud Solution Provider:クラウドソリューションプロバイダー)


紹介しているボリュームライセンスプログラムにて一番新しく出来たボリュームライセンスプログラムとなりますので、OPENに変わるボリュームライセンスプログラムとなり、今後主体となるかと思っております。


CSPは唯一、各販売店さんと契約するプログラムとなっております。

どういうことかと言いますと、ライセンス製品の使用権はマイクロソフトさんが持っているのですが、ボリュームライセンスプログラム内容については各販売店さんが決めることが出来ますが、ちょっと分かりにくいですね。


流れとしては、「マイクロソフト(製品を提供)⇒各販売店がCSPプログラムの販売方法を決める⇒企業が各販売店と契約して購入する」となっています。

CSP以外は、マイクロソフトさんが決めたボリュームライセンスプログラムのルールに従って契約をします。

そのため、CSPというプログラム名を使わなくてもいいということになります。

ただ、実際のところ、マイクロソフトさんが販売店に販売するルールがあるようで、そのルールが変わると実際購入する企業にも影響が出ます。

(2022年3月よりCSPの販売プログラムが変わりました)


サポートは各販売店さんがマイクロソフトさんに成り代わり行うようですので、CSPプログラムにてライセンス製品を購入した場合、マイクロソフトさんに問い合わせすることは出来ません。


サポート内容は各販売店さんが決めているので各販売店さんに確認してください。


元々はオンライン製品(Office365やAzureなど)を購入出来るボリュームライセンスプログラムでしたが、「OPEN Business」が終息したため、オンプレミス製品(Office Standardなど)も購入が出来るように変わっております。


CSPの説明は難しいですね。

簡単に紹介しますと、OPENで購入されていた企業はCSPにて検討してみてくださいということになるかと思います。

CSPは各販売店さんで、購入方法などが変わるためここではあまり紹介出来ないですので詳細は各販売店さんにご確認ください。


OPENと同じくボリュームディスカウント(レベル)はございません。

また、CSPの基本内容としては国内利用となりますので海外利用分は購入出来ません。

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